昨日は脂質改善シニアインストラクターの講座に行ってきました。
適切な油をとり、悪い油をとらないということは、大人ももちろん大事なのですが、脳がまだ発達段階で未熟な子供や赤ちゃん、胎児には大人以上に大事なのです。
特に胎児期の栄養はとっても大事。(=妊娠中のお母さんの食事が大事)
プライマル・ヘルスという考え方があって、
プライマルピリオド(赤ん坊が母親に依存している期間 胎児期、新生児期、乳児期)に設定された健康状態が、その子の一生の心身の健康を左右するという考え方です。(健康のためには、栄養だけでなく、母と子の絆の形成や、環境なども大事です。)
プライマルピリオドを健康に過ごすことができた赤ちゃんは、大きくなっても心身ともに健康で頭のよい子に育ちます。
プライマルピリオドの状態が悪いと、大きくなってからも、ちょっとしたことで病気になったり、鬱になったり、勉強ができないということになってしまうということです。
逆に考えると、プライマルピリオドをしっかりしておけば、後は何にもしなくても元気で天才な子供に育つということでもあります。
目次
プライマルピリオドはもちろん、大人も子供もとらないほうがいい危険な油、とったほうがいい油
トランス脂肪酸 危険な油
危険な油ナンバー1は、なんといってもトランス脂肪酸です。
日本ではあまり知られていませんが、
世界保健機関では(WHO)は、2023年までに世界全体でのトランス脂肪酸の根絶を呼びかけています。
アメリカでもアメリカ食品医薬品局(FDA)が2018年6月から全国規模での規制をスタートしています。
カナダでは2018年6月からトランス脂肪酸を含んだ食品の製造や輸入販売を禁止。
その他、食品中のトランス脂肪酸濃度等の規制措置を実施している国は、デンマーク、スイス、オーストリア、シンガポール、台湾、タイ、アルゼンチン、ベルギー、ギリシャ、アイスランド、イスラエル。
食品中のトランス脂肪酸濃度等の表示義務の国は、韓国、中国、香港、ブラジル。
なぜか、日本では含有量の表示義務付けもなく、含有量の基準もありません。
でも、世界ではここまで規制されているので、とらないほうがいいでしょう。
(参考)
トランス脂肪酸に関する各国・地域の取組(農林水産省)
http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/overseas/overseas.html
トランス脂肪酸の撲滅に向けた6つのステップ WHOが発表(newsweek日本版)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/05/who-3_1.php
トランス脂肪酸から子どもを守る――脳を壊す「油」、育てる「油」
https://amzn.to/2SLtnup
トランス脂肪酸の健康リスク
トランス脂肪酸の大半は不飽和脂肪酸に水素添加して人工的に生成されるもので、食べるプラスチックとも言われています。
なぜ、世界でそこまで規制されているかというと、トランス脂肪酸をとることで、健康被害がでると言われているからです。
トランス脂肪酸と取りすぎると、細胞膜が正常に作られなくなります。(細胞膜は脂質でできているため)
細胞膜が異常になると、シグナル伝達物質が正常に伝わらなくなり、身体に異常がでてきます。
例えば、LDLを増やし、HDLを減らし、動脈硬化になる。
そのほか、、糖尿病、メタボリックシンドローム、心筋梗塞、加齢黄斑変性、前立腺がん、乳がん、不妊、流産、子宮内膜症、アルツハイマー、発達障害、うつ、攻撃性が高まるなどと関係していると言われています。
トランス脂肪酸の多い食品
トランス脂肪酸は、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などに含まれています。
日本では表示義務がないので、どれぐらい入っているかははっきりわからないのですが、原材料に、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、植物油脂、加工油脂、などと書かれているものは、注意が必要です。
パン、ケーキ、ホイップクリーム、チョコ、ドーナッツ、クッキー、アイスクリーム、コーヒーフレッシュ、マヨネーズ、ポテトチップス、フライドポテト、ポップコーンなどなどに含まれている可能性があります。
妊娠中に、お酒やタバコやカフェイン、薬などはとってはいけないということは、よく知られていますが、実はトランス脂肪酸も妊娠中は取らないほうがよいのです。
飽和脂肪酸 あえてとらなくてもいい油、取りすぎに注意の油
牛肉、豚肉、ラード、乳製品など常温で個体で、多くの動物食品に含まれる油です。体内でも作ることができるのであえて取らなくてもよいです。
むしろ取りすぎに注意するぐらいでもよいです。
オメガ3系の油 積極的にとったほうがよい油
オメガ3、オメガ6は体内で作られない必須脂肪酸です。
オメガ3:オメガ6の理想は、理想は1:2から1:4程度なのですが、欧米型の食生活をしていると、1:10から1:40になっていることが多いそうです。
個別には測定してみないとわかりませんが、現代の日本の食生活ではオメガ6系を取りすぎていて、オメガ3系が少なくなっていることが多いです。
なので、オメガ6系の油はなるべく減らして、意識してオメガ3系の油をとったほうがよいでしょう。
オメガ3系の効果
オメガ3系の効果はいろいろ報告があります。
DHAには、学習能力向上、認知症予防、抗うつ作用、自殺リスク軽減が期待できる。(胎児期から脳に取り込まれる)などの報告があります。
ほかにも、アレルギー・自己免疫疾患の改善、血栓ができにくくなり脳梗塞や心筋梗塞の予防になる、慢性炎症を防ぎがんを防ぐ、高血圧や動脈硬化を予防する、高コレステロール血症を改善するといった効果があります。
オメガ6系を多く含む油 意識して減らしていくほうがいい油
リノール酸(紅花油、コーン油、大豆油、ごま油、ひまわり油、サラダ油、グレープシードオイルなど)に多く含まれています。
オメガ6は、炎症を促進したり、血液を固まりやすくする効果があり、必須脂肪酸ではありますが、摂取しすぎると、炎症、がんなどの原因になるといわれています。
オメガ3系を多く含む油 意識して摂取したほうがいい油
α-リノレン酸(亜麻仁油、エゴマ油)、DHA(背の青い魚)などに多く含まれています。
妊娠中は海洋汚染のリスクもあるので、亜麻仁油やエゴマ油をとるといいでしょう。α-リノレン酸はお母さんの漢肝臓でDHAに変換されます。
普段の食生活では足りていないことが多いので、意識してとりましょう。
オメガ3系の油 亜麻仁油を買うときの注意
亜麻仁油は最近注目されているので、よく売られていますが、買うときに注意が必要です。
亜麻仁油はデリケートで、酸素や光、熱からダメージを受けやすいのです。
農薬の心配がなく、コールドプレス(低温圧搾)、遮光容器のものを買いましょう。
保存は冷蔵庫で、開封後は早めに使い切りましょう。
また、加熱調理には向かないので、そのまま使うのがよいです。
妊娠中の脂質の取り方まとめ
プライマルピリオド(赤ちゃんが母親に依存している期間 胎児期、新生児期、乳児期)は、その子の一生の健康を左右するぐらい重要な時期と考えて食べるものを選ぶ必要があります。
・質のよい亜麻仁油を積極的にとる。(高オメガ3)
・それ以外の植物油を控える。(低オメガ6)
・動物系油脂やパーム油なども少量に控える。(低飽和脂肪酸)
・マーガリンやショートニングなどをできる限り排除する。(トランス脂肪酸ゼロに)
参考にしてほしい本はこちらです。
トランス脂肪酸から子どもを守る――脳を壊す「油」、育てる「油」